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秘密の時間は私のもの

第36章 尾行

その後も何かと仕掛けようとする滝波を、躱しに躱し


現在、俺は滝波と2人、観覧車の中。


前方にはしっかりと藤塚と立川を捉えている。



すっごい今更だが、俺、結構やばいことしてるよな....



女と2人で、男2人を隠れて見るなんて。


周りの人から見たら、どう映っているんだろうか。


と、最初の段階で思うべき筈のそれを


観覧車に乗る前に思った俺も、大分滝波とかに感化されている気がする。



それで、乗っちゃってるしな....



苦笑しながらも、思い浮かぶのは


藤塚の体調が悪くなってから、確実に空気が変わった2人。


2人、と言うより主に立川な訳だが。


会話は聞こえないし、見守る事しか出来ないのも事実なんだけど....


あの空気を知った上で、2人が見えない所で待つっていうのは


居てもたってもいられず、俺は観覧車に乗った。


だから、ここにいるのは仕方のないことなんだ。


やばかろうが、何だろうが。


自分に言い聞かせ、うんうん頷いていると


前方から、視線を感じ取る。



....あー、やべ。いること、忘れてた



ちらりとそちらに目を向ければ、嫌悪感丸出しの滝波がそこにいた。

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