秘密の時間は私のもの
第37章 ハピエン厨ですから
「そんなの間違ってる......双方の愛があってこそそういうのは成り立つんだろうが」
「双方の愛なら存在してますよ
貴方も藤塚氏も立川くんが好き
立川くんも、2人共が好きなんですから」
正論だ。
上野の言葉は論破された。
俺は、颯太に手を伸ばす。
颯太はそれに気付いて、体を後ろにやるけど、もう遅い。
「っ....でも!立川はその両方を愛してることで悩んで」
「っせぇなぁ。じゃあ、お前だけシなきゃいいだろ」
上野がこちらを振り返ると同時。
自分の腕の中に閉じ込めた颯太の耳を舐める。
「ひぁ.....つぐ、る....?」
不安そうな声音。
何処かでも聞いた。
あの時は、その声音を望んでいた気がする。
でも、今は.....
どうか、どうか幸せな音色を。
「んぐ.....亞...?」
ぎゅぅうと力の限り、颯太に抱き着く。
嫌なことはしたくない。
お前の同意が欲しい。
ちゃんと、幸せな体の触れ合いを。
おこがましいのと、今更なのは重々承知。
颯太の優しさに付けこもうとしてんのだって、嘘じゃ
「亞」
いろんな感情が出て来て、無茶苦茶な俺を呼ぶ優しい声音。