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秘密の時間は私のもの

第37章 ハピエン厨ですから

自分の意見をどうしても通したい、とか?


だけど、上野から向けられる眼差しがそれを連想させない。


上野から向けられる眼差しからは、はっきりと


“立川に触るな。触られるな”


そういった意思が伝わってくる。


まるで、それは


“自分の恋人が目の前で他の男に優しくしているのを見て、妬いた”


そんな、情景だ。



はーん?なるほど?



珍しく、ピンとくる俺。


この2人、恋人というのはどうやら事実らしい。


昔の俺なら、嬉しい展開。


身を引いたが、今の俺は絶賛、強気モード。


恋人、というのも仮のものだろうと断定さえしてしまう。


だからといって、恋人に変わりはないのだから


手を出すべきではないのだろうが、俺の体ははっきりと俺の意思に従って動き


颯太の唇を奪う。



誰が、引くもんか



「んむっ!」

「な!!」

「やっとですか....もう早くヤって下さい
資料を収めたいので
あ、ちなみにこのホテルのお金のために、約1ヵ月
バイト三昧でしたので、その分は働いてもらいますよ」



颯太の唇を幾度と啄みながら、空気を読まない滝波の言葉に耳を傾ける。


なるほど。


道理でこのホテルに入る時、俺、金、払わなかったわけだ。


その努力を他に向ければ、どれ程良いものとなるのか。

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