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秘密の時間は私のもの

第37章 ハピエン厨ですから

しかし、差し出されたもの、振り払う義理もない。


そして、滝波のために颯太を抱く気もさらさらない。


俺は、俺がしたいように颯太を抱く。


幾度目かの啄ようなキスをした後、離れれば見えたのは既に蕩け顔の颯太。


ぞくりと背筋を電流が通る。


すぐにでも襲いたい気持ちを抑え、これだけはと颯太に問い掛ける。



「颯太......シて、いい.....?」

「......?いつも、シてるよ...?」



思考回路がしっかりしていないのが分かる、ぽわぽわした返答。


この先の返答も恐らく、颯太のはっきりした意志からのものではない。


それでも俺は、欲しいんだ。


今までとは違う行為、という証が。



「違う....違うだよ。颯太...
俺は、きっといつも以上にお前を求めるし
いつもとは違うものを含んでお前に触れてしまう
それでも、いいのか.....?」



颯太の蕩け顔が、ほんのり正気に戻る。


その視線が捉えたのは、やっぱり上野で。


ずきりと胸が痛む音。



「.....んだよ...」

「...ごめんね。上野。悪い恋人で」

「.....はぁ...そう謝るってことは、もう気持ち的に決まってんだろ?
立川の思うままに動けよ」

「.....上野、大好き」



ちゅっと触れ合うだけのキスを、上野にする颯太。

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