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秘密の時間は私のもの

第5章 見せてもらった 1

そんな男の様子にちょっと引いていると男は身を乗り出して言葉を放った。


「初めまして!堤明信くん!僕、神月誠って言いまして、明信くんの2つ隣のクラスに所属しております」


堤と神月の唇の距離はおおよそ4,5cm。

ちょっとでも動けばぶつかりそうなそれに堤は冷や冷やした。

神月はそんなことお構いなし、と言うようにそのまま言葉を続ける。


「それでですね......堤くんにお願いがあるんです」


ーーお願い?


堤の頭に嫌な予感が過ぎる。


ーーまさか、今、マッパなことに関係はないよな?


堤は背中に嫌な汗をかいているのを感じ取った。

ニコニコ笑う神月からはなんの情報も読み取れない。

かと言って聞く勇気もない。


ーーどうする、俺.....どうしたら.....


自分に問いかけている間にも、堤の今の体勢。

最悪の事態を避けるため、極限に腰を引いたそれは今にも崩れそう。

ぷるぷると足が震え、小鹿のようになってーーーそして

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