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年上のカノジョ

第7章 動きだすココロ

「こんばんは〜」

俺の部屋に入ってきた彼女は、先に机に向かっていた俺の隣にいつものように用意された椅子にすとんと座る。そして「この前はありがとね」と言った。

「あっ、ああ…」

まさかいきなりそこから来るとは思わなかった。
ひるむ俺。

「泣いたら何かすっきりしちゃった」

肩をすくめるようにしてふふっと笑った遥はめちゃくちゃ可愛くて。


…クソッ…


今すぐにでも抱きしめたいのに、そうできない自分に心の中で舌打ちをした。





結局俺は今の関係を壊す気になれず…というか、壊す勇気が出ず、この日はそのまま遥は帰って行った。



その後も何も言うことも行動することもできずに毎日が過ぎていった。

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