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年上のカノジョ

第7章 動きだすココロ

−ー祐樹side−ー



ヤバい。



あれから遥の匂い、温もり、感触が忘れられない。

『好きだ』とわかってしまった。

でも、同時にそれが叶わない想いだということもわかってしまった。

遥にとって俺や友洋は5つ年下の『弟』のようなものだと知っているからだ。

叶わない、とわかってはいるものの、いや、わかっているから余計に燃えてしまうのかもしれなかった。



忘れよう、諦めよう、と思うほどにあの日の遥が鮮明に思い浮かぶ。

抱きしめた手の感触。
ふわりと香る、いい匂い。
じんわり伝わる体温。

思い出すだけで体が熱くなる。



心の中のもう一人の俺が言う。

『確かに友洋は振られたけど、お前はまだ想いを伝えてもいない。言ってみなけりゃわからないだろ?』

そこへさらにもう一人の俺が言う。

『だからって、言ってもしダメだったらその後気まずくて家庭教師どころじゃなくなって遥に会えなくなるかもしれないぞ?それでもいいのか?』



結局2つの思いに決着がつかないまま、家庭教師の日を迎えた…

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