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年上のカノジョ

第8章 ひかると友洋

そうこうしているうちに、花火が始まった。
祐樹たちとは合流できてないけど…オレはちらりと携帯を見たけど、祐樹からのメールも着信もなかった。

向こうは向こうで何かあったりして…?
ま、あの祐樹が遥さんに告るとか考えられないけど。



連絡がないのはそれなりに楽しくやってる証拠なんだろう。今は祐樹のことより自分のことで精一杯だ。



「綺麗だね…」

ひかるさんが花火を見上げて言う。

「そうですね」

ここで「ひかるさんのほうが綺麗っすよ」とか言えたらよかったんだろうかと考える。

しばらく手を繋いだまま花火を見上げる。

「また…来年も、来たいな」

ひかるさんがぽつりと言う。



か、可愛い…!



5つも年上の人に『可愛い』なんて失礼かもしれないけど、ひかるさんはホントに『可愛い』がよく似合う人だ。

オレは、ひかるさんを大切にしたい、という思いを込めて返す。

「うん…来年も、一緒に来ましょうか」

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