Love Days ~大好きなヒト~
第7章 お別れパーティー
「えっ…?」
「あ、もしかして、岩田さんですか?」
「そうですけど…。」
「娘がお世話になりました。 鈴音の母です。」
…お母さん!?
「えっ、お母様だったんですか?」
「岩田さん、「お母さんいる?」って言ったから、母を連れてきたんですけど…。」
「うそ! マジで?」
「マジです。」
「随分お若いですね…。」
「でしょ?」
「あの…?」
澪音ちゃんと二人で話していると、お母さんが話しかけてきた。
「あっ、すみません。 鈴音ちゃんを送りに来ました。」
「え? 隆君は…?」
「酒飲んで、運転できそうになかったので。 代わりに僕が。」
「あっ、そうだったの…。 わざわざ有難うございます。」
「いいえ。 楽しかったです。」
その時、ぼそっと鈴音ちゃんが俺に言った。
「…岩ちゃん、メンバーさんはいいんですか…?」
「あっ、忘れてた! …では、僕はこれで失礼します。」
「本当に、有難うございました。 HIROさんや隆君にも、宜しくお伝えください。」
「はい。 では、失礼します。 …バイバイ、鈴音ちゃん。」
俺がそう言うと、少し寂しそうにしながらも、「また…。」と言ってくれた。
俺は、彼女の顔を見てから、そっと玄関を閉めた。
そして、車に乗った。
…しまった。 忘れてた。
俺の意気地なし…! 想いを伝えないだなんて…!
…あ、でも、ライブに来てもらえばいいか!