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特別刑務所(仮)

第17章 運動。

全員がスタートラインから中腰の姿勢になり並ぶ姿はきっと、端から見たら相当異様・・・
少し顔をあげると瀬川が一番最初の子の背に立っていた。
あー、もうすぐ始まると視線をしたに戻そうとしたとき九条と目が合う。

「はー、九条たちいいなー」
「ん?」
「え?あ、ほら前見てみろよ。みんなこれには出てないみたいだから応援してくれてるみたいだけど九条なんか絶対バカにしてるって。あれ」

俺がそういうと佐野も少し顔をあげる。
俺と佐野が二人で九条たちを見ると皆が少し慌て始める。
なんだ?

「「いって!」」

あ、頭蹴られた・・・
どうやら競技が始まっていたらしく瀬川が俺たちの上を走り去っていった。
顔をあげていた俺たちはちょうど瀬川の足に蹴られる位置にあったらしい。容赦のない蹴りをくらい脳が揺れる感覚が襲いかかる。
そんなのもつかの間、クラスのやつらに早く列にもどれと声を掛けられ、ふらつく体で俺たちは瀬川を向こう岸へ運ぶ板役に戻る。

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