テキストサイズ

特別刑務所(仮)

第17章 運動。

何度目かの瀬川が通る感触。
顔をあげ列に入ろうとしたときだった。勝負の決着がついたと発砲音が聞こえたのは。


「負けた?」
「どうだろ?」
『ただいまの結果を発表します。勝者、白組』

あー、負けたんだ。
疲れた・・・
空をあおぐように上を見上げへばっていると瀬川の顔が空をおおう。

「んもー、るーちゃんも佐野っちも!最初の!ひどいよー
転ぶかと思ったじゃん!ちゃんと頭下げなきゃめっ!だよー」

なーにがめ!だよ・・・
頭揺れるほどだったんだぞ!

「たく、瀬川が本気で走ってたのはわかるけど、痛かったんだからな!頭」
「だってー、頭は隠すのって言われてたのにー九条さんと木下さんに目を奪われて競技を忘れてたからー頭に・・・」


テヘッと舌をだし笑う。
その笑顔に覚えたのはうっすらとした殺意・・・

ストーリーメニュー

TOPTOPへ