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特別刑務所(仮)

第18章 刑務。

姉と母は朝も夜も働く日々。
俺も高校を卒業させてもらい、働きに出た。
ただ、高卒程度の俺が働けて給料がいい仕事となれば限られていた。
体を酷使させられ、上司のご機嫌を伺い、上手く立ち回る。
そんなときだった。
刑務官募集の郵便物が届いたのは。

「元ちゃん。これあなたに」

母から渡された茶封筒。
中には刑務官募集と書かれた紙が。
我が国の現状は誠に遺憾である。進む若者の犯罪。
それを抑止ししなければこの国に未来はない。
あなたは、我が国の助けになるべくして選ばれたのだ。
内容こそ今ではあやふやだがそんなようなことが書かれていた。
ただ、俺の興味を一番惹いたのは接遇。
高卒の俺に巡ってきたチャンス。
こんな給料のいい仕事どこにもない。家族も守れる。
借金も返せる。
迷うことはなかった。ただ、母は書面を読み俺を止めたけど。

「戦地にて実績確認?こんな危ないところに行かせられない。今だって十分よ。」
「俺は大丈夫です。せっかく入った大学に弟には気がねなく卒業までしてもらいたいし。」

そう。
それこそがすべてのはじまり。

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