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特別刑務所(仮)

第18章 刑務。

日本最高権利所の一角にあるホール。
そこには俺と同様に政府からの申し出に承諾した人間が集まっていた。見たところ年齢にばらつきはあるもののだいたい20代~30代後半と言ったところか。
辺りを見渡しているとスピーカーから音声が流れる。それと同じくしてホール二ヶ所の扉から黒スーツの男たちが入ってきた。

「みなさん。ようこそお越しくださいました。われわれ政府はかねてより発案して参りました計画実施のため皆さま方の協力を得たいと考えております。さて、募集要項にあります戦争実績欄ですが、すでに極秘に各国へ協力申請させていただいています。皆様にはこれから割り当てられた国へ行きそこで生き残ってください。」

まわりがざわつく。
説明らしい説明はこれだけ。
その後黒スーツの男たちから配られた紙はおそらくここに集まっている人間の名簿。その一覧から自分の名前を見つける。その横に書かれている国の名前、ここで俺は兵士として出兵させられるわけかと妙に冷静に分析していく。

「みなさん、お静かに。」

黒スーツの男たちの中で一際存在感のある男が声を張る。
一瞬にして会場内の空気がピタリと息を静めた。

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