テキストサイズ

保健性活委員

第2章 初めての委員会

高野くんはいっこうに口を開こうとしない私にせかすでもなく、そっと背中をさすってくれた


......高野くんなら大丈夫かも

今日はじめて話したのになんとなくそんな気がして私は話し始めた


「........私...」




「うん」


「中学1年生の...時に...」


「うん」


声が震える...


でも、ずっと高野くんが背中をさすってくれてるから少しずつ言葉がこぼれていく


「......レイプされたの」



「!!」


「お兄ちゃんの...友達の人にね」



「お兄さんの?」


少し言ってしまえば、意外に話せてしまう


「うん

もともと、よく家に来てて知ってたんだけど」


うんうんと高野くんは聞いてくれている


「その日は..部活が思ってたより早く終わって家に帰ったら、あの人が........いたの..」


「........」


「それで、お兄ちゃんがコンビニに行ってる間に告白されて.....

断ったら無理矢理...」


「..............そっか

辛かったね...」



高野くんは優しい顔で私の頭を撫でてくれた


そんな顔にふと涙がこぼれそうになった



「だから、高野くんがいやとかそういうわけではないの.....」


「辛いことを言わせてごめんね


話してくれてありがとう」


そんな優しいこと言われたら....


もう..涙が我慢できない....


高野くんの優しい顔がゆがんで見える...


いきなり泣き始めた私を高野くんは優しく胸元に抱きしめてくれた



私は高野くんの甘い香りのなかで静かに激しく泣いた.....


こうして初めての保健性活委員は終えた


ストーリーメニュー

TOPTOPへ