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保健性活委員

第5章 乗り越えるため



部屋に入ると、高野くんは私の方を真剣に見つめた



「高野くん........?」




少し、伏目がちな高野くんを覗き込むと




「白石さん!!」


「はっはい!!」



大きな声で急に呼ばれて反射で返事をしてしまった。



びっくりした


「俺じゃないほうがいい?」



「え?」



「いや、今日の朝も驚かせちゃったみたいだし

もしかしたらなんだけどね、その....白石さんが...

怖い思いをさせられたやつに俺が似てるのかなって...」



高野くんが真剣な顔で気まずそうに私を見やる


私の態度でそんな誤解をさせちゃったんだ



「それだったら、他のやつに代わった方が白石さんもさ

男子だったら、HIなんてラッキーだって思うやつ多いし!

白石さんが気になるやつとかに俺から巧いことこう...」



高野くんは、私の思ってた人じゃないんだな



さっきから驚いてばっかり



授業はサボる、ピアスは開ける、制服には穴が空いて、タバコも吸っている。


学校から不良認定された男子が、最大限の優しさと配慮をもって私を気遣ってくれている。



私を無理やりに抱いたあの人は非の打ちどころのない優等生だった。



ちゃんと話して、関わってみるまで分からなかった。



「......ありがとう」



高野くんは、小さく何度も頷いて




「ほら、怖がられることしてっからさ俺

代わるのも先生にしてみればなっとくだとお「ううん」



自信をもって言える



高野くんは好い人だ



「ペアは高野くんがいい」



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