テキストサイズ

保健性活委員

第4章 水色



いつもは憎い朝の日差しだが、今日は何だか憎めない。

ゆっくりと上を見上げると晴れ渡った気持ちの良い青空が視界を埋め尽くした。

綺麗な青空を見ると、頭の中をまっさらにすることができる。


混み合った電車の中では、少し気分が沈むが朝らしい空気が気持ち良く体に沁みるのが気持ちいい。


いつもより少し早めに学校に着く。


人が少なく、上履きと廊下の擦れる音が校舎内に響く。


なんとなく、いつもとは違う階段を登る。一段一段ゆっくり登る。


いつもの階を通り過ぎて登る。


一番上まで登り、重いドアを開くと春らしい強い風が吹き上げてきた。


風で瞬く髪とスカートを軽く押さえながら、まっすぐに進む。


はじまで来ると、学校の近くから家の周辺までよく見える。



遠くに見える水色の屋根の色を見やると、嫌な思い出が蘇ってくる。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ