
保健性活委員
第5章 乗り越えるため
瞼を開けると、白い蛍光灯が見えた。
ここは.....
何があったか思い出せない...
たしか私は、登校して...
「沙織??気付いた!?」
目の前には心配そうに見つめる朱莉がいた。
「あ..かり...」
「良かった....」
朱莉の口から安堵の吐息が漏れた
「沙織。朝、屋上で倒れてたんだよ。
あいつが見付けて保健室まで運んだんだ」
朱莉の後ろからもう一人の人影が見えた
だれ?
あいつ...?
.....屋上...?
そうだ。私は朝屋上に行ったんだ
そこで...
!?
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「さおちゃん」
近づいてくる
「なんで逃げるの? ねぇさおちゃん?」
やだ
こないで
やめて
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息が早くなる
苦しい
「大丈夫か!?」
誰の声?
朱莉の声じゃない
私の視界は覗き込む高瀬くんの顔でいっぱいになった
