
保健性活委員
第5章 乗り越えるため
「白石さん!大丈夫!?」
おかしなデジャビュが消えて、少しづつ記憶がはっきりとしてきた
目の前では朱理と高野くんが身を乗り出している
相当心配をかけてしまったみたいだ
「うん........心配かけてごめん。大丈夫。」
ベッドから身体を起そうとするのを高野くんに制止された。
「まだ寝てた方がいいんじゃない?」
無理はしない方がいいと、手に持っていたタオルケットをいそいそとかけてくれる。
どこからか持ってきてくれたのだろう。
♪キーンコーンカーンコーン♪
遠くから鐘の音が聞こえる。
そういえば、今は何時なんだろう
「これから朝礼だよ。今のチャイムは予鈴。」
私の考えを読んだ朱理が答える。
「1時間くらい保健室で寝てたら?
今日の1時間目、ゴーちゃんだし、平気だよ。」
ゴーちゃんは数学教師だが、とてもとても授業が分かりにくく、ほとんどの生徒が教科書や参考書で自習をしている。
「ゴーちゃんか.....、そうだね。そうする。」
私は少し休むことした。
