テキストサイズ

片思い

第2章 自問自答

「早く着きすぎちゃったぁ…」
っと、誰もいない教室に入る。
(もしかして、次に来るのが富岡くんだったりして~♪ そして富岡くんと話せたりしてー♪)
なんて、淡い期待を胸にみんなが登校するのを待つ。

ガラガラ
扉が、ゆっくり開く。
わたしはドキドキしながら扉を見つめる。

………………………。
入ってきたのは違う男子。
興味なし。

妄想というものはただの夢にすぎない。
期待した自分が情けない。

その後続々と人が来るがまだ、富岡くんは来ない…。
「おはよぉさんっ!」
芽衣がきた。
「あ、おはよぉ」
「そういえば昨日ね、、、、」
しゃべり続ける芽衣の話を聞きながらも
わたしは、富岡くんを待っていた。


(あ!!来た!) ガタ!
思わず立ち上がってしまった。
「ん?零どーした?!」
「あ…いや…なんでもない…////」
座り直し再び扉の方向に、目をやる。

太田くんと話しながら教室に入ってきた
富岡くんは、肩にエナメルのバックを下げて
笑っていた。

きゅうううん////

好きかもって意識したからかな?
今日はかっこよく見えてしかたないよ。

私が恋におちたことは確定した。
富岡 駿くん。
わたしはあなたに出会った。
そして恋に落ちた。
もぅ、芽衣の話なんて耳に入らない。
ずーと見ていたい。

その日からわたしは、富岡くんを目で追いかけるようになっていた。
一生懸命何かをやっているときの横顔。
笑った時の幼いえがお。
本を読んでいる時ののクールな表情。
他の男子よりも落ち着いて大人びている。
そんなとこにますます私はひかれていった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ