
愛なんていらない
第2章 好きの違い
――――
(行けば、わかる…かぁ
なんかちょっと不安なのはなんで?緊張?いや…)
「遥香っ!よかった、来てた‥‥‥」
「うん…」
また、黙りこむ優真。
この瞬間の優真が一番好き。
普段は笑ってるけど、真面目な顔をこんなにしっかり見たのは初めてで。
でも、この空間は一番嫌い。
次に放たれる言葉が消えそうで、溶けそうで。
そんな感じがするから‥‥。
「中に入って。」
「え!?」
(中に入ってって、男子トイレに?)
「な、なんで
「お願い、入って。」
せがまれる私は負けて許してしまう。
私の悪いクセ。
