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妄想はご自由に

第5章 優しい時間

席に着くと不機嫌そうに課長が言った
「紗季くん、ブラック」

私はポケットから120円を出すと机の上に置いた

課長は溜め息を着くと小銭を持って出ていった。

ちょっとひどかったかなぁ

「もう少し優しくてあげなよ」

私が嫌そうな顔をすると
木村さんが困った顔をした

いいの、課長なんて
毎日、嫌味しか言わないヤツ

「まぁ、それも後少しですから」
後輩の慎吾君がうんうん頷いている

「慎吾、忘年会兼送別会しろよ」

? 私がキョトンとしてると
慎吾君が教えてくれた

「名古屋なんて遠く大変ですよね」

そーだ。名古屋支店のテコ入れで
本社から人出すって言ってた。

それが課長らしい。

「新し人誰だろうね」
私がニコニコして言うと

「お前も行くか?名古屋」
後ろに怖い顔して課長が立っていた

私は首を横に振って、しらっと仕事をする慎吾をにらんだ。

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