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妄想はご自由に

第7章 日常はこんなもの

今日は送別会

3日後に課長が名古屋に行く
今日で最後だ

最後の荷造りを美也子ちゃんが手伝っていた

「可愛い///」

美也子ちゃんが呟いた手のひらには
小さな木の箱が置いてあって
中を開けていた

おいおい勝手に開けるなよ

「彼女からのプレゼントですか?」
悪びれずに聞くところがすごい

課長は珍しく笑うと
小さな木箱を大事にしまった

「俺の婚約指輪だ」

真顔で言うから思わず笑っちゃった。
課長に怒鳴られるかと思ったけど、
スルーされてちょっと拍子抜け。

「えー、渡さないんですか?」

美也子ちゃんが食い下がる。
振られたと言って、部屋を出ていった。

「課長 可哀想」

なぜか私を見て呟く

「村上さんは、明日の
 クリスマスコンサート行くの?」

突然、木村さんに聞かれて
真意を探ってしまう

「今年も女子会があるんで」
コンサートはきっとカップルばっかり
今年はついに私一人になってしまったから
行きたかったけど悔しくて言えない。

そっかぁ と残念そうな木村さん
期待させないで

貴方には家族がいるんでしょ?

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