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妄想はご自由に

第7章 日常はこんなもの

私が居酒屋に着くと、ほぼ揃っていた。

「主賓が遅れるなんて
 信じられないッス」

慎吾くんがぶつぶつ言いながら
私の飲み物を注文してくれた

来年は、バラバラの部署になる
このメンバーとも最後
そして木村さんとも

私は新プロジェクトのリーダーになる
初めてのリーダーで不安だ

「遅れてスマン」

課長が申し訳なさそうに現れた。

何気なく私の隣に座った。
なぜ?とも思ったが
空いているのだからしょうがい

改めて乾杯して1年を振り替えっていた
私がこの課に来て1年
あっという間だった

憧れの木村さんと一緒に仕事ができて
すごく嬉しかった

今年も終わりだ

「課長は明日は暇ですか?」
木村さんが質問した

「仕事終わったら、プライベートだよ」
ニヤニヤしていう
予定が無い私への当て付けか?

「課長は名古屋出身なんですよね?」
美也子ちゃんがいらん質問をする

「中学から高校までの5年間だけな」
転勤は慣れてると笑っている

私はお酒を飲みながら
適当に相づちを打っていた。

醤油を取ろうとしたとき
課長の手とぶつかった

「スマン」
課長が慌てて手を引っ込める
顔が赤いのはお酒のせい?

「課長の おっきいですね」
美也子ちゃんがいうと
なんかエロい

課長の手をとって自分の手と合わせていた
確かに、指がスラッと長い
指先を見つめていたら

最後のトロが宙に舞う

 あ~

課長の口に吸い込まれる
と思ったら、私の口の中に入ってきた
どうやら大口開けていたみたい
恥ずかしくて、急いで食べたから
せっかくのトロの味が分からなかった。

 残念......。

「先輩と課長って、仲良いですよね」

慎吾の目は節穴か?
どこがだ と思っていると
周りが、うんうん と頷いていた

止めて

課長じゃ 妄想できない

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