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妄想はご自由に

第2章 残業だって辛くない

今月は忙しい
毎週の会議に合わせて資料作り
終わったら議事録作り

毎日がヘトヘト

明日の会議のため今日もパソコンに向かう

 カタカタ  カタカタ ガタっ

「もームリ コーヒー飲む」

私は大きな声で宣言して立った
財布を掴んでフロアを出ようとした

「紗希くん、ブラック」

小牧課長が五百円玉を投げた
私はうまくキャッチできず五百円玉は
無情にも床を転げていった

「先輩 どんくさい」

「お釣りはお駄賃ね」

課長を睨むと、こっちも見ずに言ってきた
ムカムカするんですけどぉ

「村上さん、五百円」

木村さんが私の手をとって掌に五百円玉を置いてくれた

「ありがとう」

私は一瞬で笑顔になる

「おー木村 気をつけろ紗希に狙われるぞ」

課長の言葉で怖い顔になる

「おじさんの僕じゃ、村上さんとは釣り合わないですよ」

背中に届いた言葉がお世辞でも嬉しい

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