
妖魔滅伝・団右衛門!
第7章 さすらい団右衛門
「オレを、信じてくれ」
快楽に飛ぶ意識の中、その一言は深く嘉明に刺さる。同時に奥まで侵入してきた団右衛門に、嘉明自身が耐えられず白濁を放った。
「ああっ……!!」
真っ白になった頭が意識を取り戻したその時、菜の花の香りは消えていた。青空に比べれば遥かに低い天井、嘉明を遮る壁。受け入れたはずの団右衛門の熱もなく、嘉明は着物の乱れ一つなく布団に寝ていた。
(目が……覚めたのか)
夢と変わらないのは、快楽に塗り替えられ蹂躙を期待し高ぶる熱だけ。それは頭と違い、現実に戻ったからといってすぐ冷めるものではなく、嘉明を乱す。嘉明は本能に屈し、夢に浸ったままの自身に手を添えた。
立ち上がる自身を、自分で慰めるのは久々の事である。欲望を握る右手はすぐに濡れて水音を発し、ますます乱れを高めていった。
「はっ……ぁ」
しかし、上り詰めるには刺激が足りない。何が足りないのかは、嘉明が一番知っている。だがそれを、簡単に認めたくはなかった。
現実では閉じたままの、後孔。前がひくつくたび、後ろも同じように感じていく。目を逸らしても、そこが収まる事はない。
