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A heart and wound

第1章 想い

翔Side

翔「ふー…」

…思わずため息が出る。

今日の仕事を全て終え、家に帰ってソファで新聞を読んでいたけど、全然内容は入ってこなくて。

ため息の理由は、潤のこと。

というのも最近、どうにも避けられてる気がして。

…思い過ごしかもしれないけど。

…潤は、俺のことを慕ってくれてて、弟のような存在…のはずだった。

それが形を変えたのはいつだったのか、もしかしたら最初からだったのかもしれない。

他のやつと仲良くしている潤を見て、湧き上がった感情は…嫉妬だった。

その時、こいつが好きなんだと確信した。

…何年かたち、雅紀と付き合うことになって、潤への気持ちは、恋愛のそれではなくなったけど、やっぱり特別な存在で。

翔「…俺、なんかしたかぁ⁇」

…正直、全然思い当たることはなくて。

少し前までは普通だったのに。

…直接聞いてみるしかないかな。

ふと、ケータイがなった。

…画面を見ると雅紀からの着信。俺は通話ボタンを押した。

翔「…もしもし⁇」

雅【あ、翔ちゃん?仕事終わったよね?今どこいる?】

翔「んー?家。」

雅【…今から行ってもいい?】

翔「ん、待ってる。」

雅【翔ちゃん、愛してるよー♡】

翔「…はいはい///」

電話を切って、ソファに寝転んだ。

…雅紀と一緒にいると、心が穏やかでいられる。

苦しい時や辛い時も笑わせてくれる。

明るくなれる。

ずっと、一緒にいたいと初めて感じた人。

あの日、雅紀の手を取ってよかったと、心から思うんだ。

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