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A heart and wound

第6章 揺らぎ

智「ふふ、それはその通りだよ…でもね?
…俺は、伝えるよ。翔ちゃんに。

もちろん、俺にとっては、ニノだって、相葉ちゃんだって、松潤だって、同じくらい大好きだし、大切だよ?それは、心から言える。
…じゃなきゃ、ここまで一緒にやってこれないよ。
…だけど、これだけは譲れない。

それに…俺らが、翔ちゃんにメンバー以上の想いを持っちゃった時点で、すでに壊れかけてたんだよ。
だから、一回壊れるべきなんだ。

これからのニノがどうするかは、ニノ次第だけどね。
ただ…俺は言うから。
もう、決めたんだ。
だから…じゃまはしないで。」

そう言うと、荷物を持って大野さんは出て行ってしまった。

1人、取り残された俺はそこに座り込んだ。

…大野さんの瞳は、1度も揺るがなかった。

何言っても、もう、大野さんの意志を変えることは出来ない。

やっぱり…もっと前から、止めるべきだったんだ。

大野さんが、いつか爆発するかもしれないことは、分かってたのに。

…だけど大野さんに限って、俺らとの関係を壊すようなことは、絶対しないと思ってたから。

それだけは…信じてたから。

だって…誰よりも、皆のこと考えてて、大事に思ってくれてるの、分かってたから。

…俺らの、リーダーだもん。

その時、さっきの大野さんの言葉が、頭を過った。

…もしかして、大野さん、気付いてる⁇

だから、敢えてあんな言い方したの?
それは…俺なら気付けるって思ってくれたのかな?

だったら…だったら、俺のするべきことは…

俺は、キッと睨み付けるように上を見て、立ち上がった。

するべきことを、する為に。

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