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A heart and wound

第6章 揺らぎ

翔「…どうかした?」

雅「ん?…なんでこんなに可愛いのかなって考えてた。」

翔「…バカ。」

雅「バカだもん、俺。」

そう言って、ソファに腰を下ろす。

パソコンの置いてあるデスクの前に座っていた翔ちゃんも、立ち上がると俺の隣にきて、腰を下ろした。

雅「まだ、勉強するんじゃないの?」

少し、拗ねた感じの口調になってしまったのは、しょうがないよね?

…だって、やっぱり少しは俺のことも気にして欲しかったから。

だけど、翔ちゃんに、

翔「…ねぇ、寂しかった⁇」

と、逆に質問されてしまった。

雅「別にぃ?だって、仕事のことだし。」

我ながら素直じゃない、可愛くない返答。

翔「俺は、寂しいよ?…雅紀が寂しがってくれないから。」

雅「…は?」

思わず素っ頓狂な声を洩らした俺に、翔ちゃんは続けた。

翔「だって、あんなにほっとかれたら俺だったらすげー寂しいのに。…雅紀、俺のことどうでもいいの?」

雅「…櫻井さん?どうしたの?…そんなこと言うキャラだったっけ?」

翔「…確かに、明日のために勉強したかったのも半分本当だけど、ぶっちゃけ、準備万端だし。」

雅「…おーい?」

翔「雅紀が寂しいって言うなら、俺はいつだって止めたのに。」

…うん、俺の話なんて聞いちゃいねぇ。

なんていうか…つまりあれか。

…妬いてほしかった的な?

それさ…今更じゃね?

俺、毎日嫉妬しまくりよ?

…鈍感な翔ちゃんのせいで。

てか、妬かせ方下手くそ。

分かりにくいし。

雅「…可愛すぎか!」

そういうと、カップを机に置いて、翔ちゃんに抱きついた。

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