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A heart and wound

第3章 変化

潤「…和。これから、どうする?…その、俺らの…関係。」

和「…潤は、どうしたい?」

潤「…俺さ、やっぱり翔くんが好きだよ。…和が、そんなつもりで俺のこと、抱いてくれたわけじゃないってことも分かってるよ。…でもね、一回そうなった以上、中途半端な関係は、嫌なんだ。」

…そう言うと思ってた。

…潤が誠実で、優しいこと、知ってるから。

潤「…重い、よね?」

そう言って、潤は俯いた。

…俺は、潤の気持ちを利用する。

その、誠実さを。

ごめん…

翔さんに似ている潤を、翔さんの身代わりにする。

和「…いや、潤らしいよ。…いいよ、付き合っちゃおっか?」

…なんておかしな話なんだろう。

…同じ男を愛する男同士が、恋人になるなんて。

…そもそも、男を好きになる時点でおかしな話か。

1人、心の中で苦笑した。

潤が、顔を上げた。

…その目には、うっすらと涙が浮かんでいた。

潤「…ごめん、和…好きな人、いるのに。」

俺は、潤の頬をつねった。

和「…そういう時の返事は、ごめん、じゃなくて、ありがとう、でしょ?」

潤「…うん…ありがとう、和。」

和「…よしっ!」

そう言って、ニコッと笑うと、潤も笑い返してくれた。

和「…ほら、早く準備しないと遅刻するよ!準備しよ!」

潤「うわっ!時間ヤバイ!」

2人して、慌てて立ち上がり、準備を始めた。







今日は、俺も潤も1人での仕事。

まだ時間の余裕のある俺は潤を今日のスタジオまで車で送った。

潤「ありがとう!おかげで間に合った!」

和「あ、潤…今日の夜さ、空いてる?」

潤「あ、空いてる…///」

照れて、恥ずかしそうにする潤。

和「…じゃあさ、仕事終わったら連絡して?…迎えに来るから。」

潤「…う、うん///」

和「もー、照れんなよ。」

潤「…いや、だってなんか、恋人っぽいなって。」

和「ぽい、じゃなくて、恋人なの!…じゃ、仕事頑張って!」

潤「か、和も、頑張って!」

そう言って、潤は車を降りて、見えなくなるまで俺に手を振った。

…子供かよ。

さーて、俺も仕事だ!

俺は、現場を目指して、車を走らせた。

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