テキストサイズ

A heart and wound

第4章 嫉妬

今の潤は、あの時の俺の心の中、そのものだった。

…翔さんに、相葉さんと付き合うことになったと、報告された時と。

…俺じゃダメなの?と思ったと同時に、翔さんの顔を見て、俺じゃダメなのだと痛感した。

…まるで、あの時の俺と同じ。

こうやって、今みたいに表に出せない俺の心の中を、潤が代わりに出してくれる。

…だから、俺の心はずっと、いっぱいいっぱいにならないで済んで来たんだ。

…ごめんね、潤。

優しくするのはただ潤の為だけじゃない。

…潤に優しくすることで、俺の心を軽くしてる。

しばらくすると、潤は落ち着きを取り戻し、俺の胸から顔を上げた。

潤「あ、ありがとう…も、だいじょぶ。」

和「…ん、そか。…じゃあ、とりあえず潤の家に行こっか?…今日も泊まるでしょ?…荷物、取りにいこ。さすがに、ずっと俺の服だと、バレちゃいそうだし。」

潤「…う、うん…///」

和「照れんなやー」

潤「…だって、慣れないんだもん!」

和「だもんって、あなた…」

潤「いいだろ!」

そういうと、ぷいっとそっぽを向いてしまった。

あまりにもおかしくて、吹き出すと、潤はついに怒ってしまい、今度飯を奢らされることになった。

潤「なに奢ってもらおっかなぁー♪」

…人が奢るって言ったらすぐ機嫌直しやがって。

和「安いものね!」

潤「えー?聞こえなーい。」

そう言って、ケラケラ笑った。

…俺たちの関係は傍から見ればおかしな関係。

けれど、今はまだもう少しこのままでもいいかな?

…少しは、楽になってもいいよね?

ストーリーメニュー

TOPTOPへ