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A heart and wound

第4章 嫉妬

智「…翔ちゃん、一つ言わせて?」

さっきまでとは一変、少し真面目な顔で話だした。

翔「うん、何⁇」

智「…松潤は、翔ちゃんのこと…大切に思ってる。それは、伝わってくる。…松潤だけじゃないよ、みんなそう。」

翔「…うん。」

智「だからさ…信じて?見て、あげて?…そしたら、何か分かるかも知れないよ?」

翔「…う、うん?」

智「難しかったかなぁ?」

翔「…少し…」

智「…いつか、分かると思うよ?」

翔「そっか…うん、でも話したらなんか楽になったよ!…ありがとね、智くん。」

智「…ならよかったよ。…じゃあ話はここまで!冷めちゃうから食べよっ!…俺、なんかたのもっかなぁ〜」

そう言って、智くんはメニューに目を通した。

…見る、かぁ。

…難しい。

だけど、心が少し軽くなって、やっぱり智くんに話してよかったなって思った。

ちらっと、智くんに目をやると、楽しそうにメニューを見ている。

…楽しそうだなぁ。

そんな智くんを見てるとついつい笑みが零れる。

…あれ?

智くんの首元が視界に入り、そこに痣らしきものを見つけた。

…それは、目を凝らしてみないと分からなかったけれど…キスマーク、みたい…

智「ん?俺、どこか変⁇」

俺の視線に気付いたのか、メニューから目を離すと、俺を見てそう聞かれた。

翔「…いや、なんでもないよ。…それより、注文どうする?」

智「んっとねー」

…智くん、彼女いないはず…だよね?

きっと、俺の思い過ごしかな?

…虫か何かに刺されたとかかもだし。

俺は自分に言い聞かせるようにそう言って…心のもやもやにも気付かないフリをし、その心の奥に感情をしまい込んだ。

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