テキストサイズ

A heart and wound

第4章 嫉妬

エレベーターの前に着くと、翔ちゃんが手を伸ばしてボタンを押した。

智「あ、ありがとう。」

翔「どーいたしましてぇ♡」

俺は、そのままエレベーターで自宅のある階へと上がった。

階に着いた途端、いきなり翔ちゃんは俺の腕から飛び降り、

翔「…智くんの家だぁっ!」

そう言って走っていってしまった。

智「ちょ、もう!翔ちゃん!」

…下りられたら下りられたで、さみしいと感じてしまう。

さっきまで、抱っこ抱っこ、って駄々こねてたのに。

そういう駆け引きの上手さも、酔った翔ちゃんは兼ね備えているから、より厄介なんだ。

俺は、エレベーターを降りると走って翔ちゃんを追いかけた。

翔ちゃんは、俺の家の前で、ちょこんと座って待っていた。

智「…鍵ないのに走ってくから…」

翔「えへへ♡あーけーて?」

智「はいはい…」

そう言って鍵を開けると、翔ちゃんは一目散にリビングにいき、ソファにダイブした。

翔「気持ちぃ…智くんのにおいがするぅ〜」

智「…俺のだからね。…俺、風呂入ってくるから、ゆっくりしてて?」

翔「はぁ〜い!」

俺は逃げるようにバスルームへと向かった。

これ以上、翔ちゃんの近くにいて、理性を保てる自信がなかった。

きっと、めちゃくちゃにしてしまいたくなる。

…忘れちゃいそうになる。

翔ちゃんは、相葉ちゃんのものだってこと。

忘れちゃだめじゃん。

…だって、翔ちゃんも相葉ちゃんも、俺にとって大切な仲間。

だから、2人の幸せを願う、だから、翔ちゃんへの想いは、俺の心の中に閉じ込める。

そう、決めたんだから…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ