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A heart and wound

第4章 嫉妬

智「しょーちゃーん?大丈夫?」

風呂から上がり、濡れた髪をタオルで拭きながら、リビングへと戻った。

返事はなく、ソファを覗き込むと、寝息を立て、スヤスヤと気持ち良さそうに眠る翔ちゃんの姿…

智「…寝ちゃった、か…」

うーん、どうしよう。

起こすのは可哀想だし…

…明日、朝から5人での仕事だから、泊まっても困ることはないんだけど…

俺は、冷蔵庫からビールを取り出し、プルタブを開け、それを一口煽った。

智「…理性、保てるかな?」

…あんな可愛く眠る翔ちゃんをみて、冷静でいられる自信が無かった。

智「…はぁっ…」

翔ちゃんの眠るリビングに戻り、ソファの横に座った。

俺はぐいっと再びビールを煽り、幸せそうな顔で眠る翔ちゃんの髪をそっと梳いた。

智「…ねぇ、そんな幸せそうな顔でなんの夢を見てるの⁇」

そのまま、頬に手をずらし、そこをゆっくりと撫でた。

最初、少しくすぐったそうに身をよじったけれど、慣れると気持ち良さそうな顔をして、猫のように、逆に頬をすりすりと動かした。

翔「…ん…んん…」

…それがスイッチだった。

気付けば、翔ちゃんの上に跨って、唇を塞いでいた。

起きない翔ちゃんに、角度を変えて、何度も何度も触れるだけのキスを落とす。

…理性が止まらなくなり、もうどうなってもいいと思った。

スヤスヤと眠る翔ちゃんのシャツのボタンに手をかけ、ゆっくりとそれを外すと、鎖骨や首元、至る所に紅い跡を見つけた。

それに唇を近づけていった。

…その時、ケータイが鳴った。

…俺の音じゃない。

音の聞こえてくる場所を探すと、翔ちゃんのズボンのポケットから聞こえてきた。

そこから、ケータイを取り出し、ディスプレイを見ると、そこに表示されていたのは、"相葉雅紀"の文字だった。

…何、やってるの俺。

智くんの上から、下り、立ったまま翔ちゃんのケータイを見つめていた。

それはしばらく鳴り続けた後、止まった。

それをテーブルの上にそっと置いた。

何も無かったかのように、翔ちゃんはぐっすりと眠っている。

…俺、最低だ。

抵抗できない寝ている時にこんなこと…

俺は翔ちゃんをそっと抱きかかえ、寝室まで連れて行き、ベッドに寝かせた。

智「…ごめん」

そうつぶやき、寝室を後にした。

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