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A heart and wound

第5章 混沌

雅紀Side

雅「おっはよぉー!」

勢いよく楽屋に入った。

…けれど、そこに居るのは、翔ちゃん1人。

…まあ、俺にとってはむしろ好都合かな⁇

翔「お、はよ…」

翔ちゃんは歯切れ悪く、そう返事を返した。

雅「なに?新聞読んでんの?」

そう言いながら、徐々に翔ちゃんに近づいていく。

翔「…うん。」

ソファの、翔ちゃんの隣の空いているスペースに腰を下ろすと、翔ちゃんはビクッと体を強張らせた。

雅「…昨日、リーダーの家泊まったんでしょ⁇」

翔ちゃんの方に体を向けて、ニコッと笑ってそう言うと、明らかに翔ちゃんの顔が引きつった。

翔「う、うん。」

雅「…電話、かけたんだけど?」

翔「あっ…ご、ごめん‼︎」

そう言って、翔ちゃんは慌ててケータイを確認した。

雅「…かけられないほど酔ってたんだ⁇」

翔「ごめんって…」

そう言って、しょぼんとする翔ちゃんを、不覚にも可愛いと思ってしまった。

…いやいや、俺は怒ってるんだって!

雅「…別に、リーダーんち泊まることはいいんだけどさ。…でも、それをリーダーから聞くって言うのが面白くない。」

翔「でも別に、浮気したわけじゃないし…リーダーだって、こんなごっつい男なんかに欲情しないって」

雅「…はぁ〜」

思わず溜息が漏れた。

翔「な、なんだよ。」

雅「…ほんっとに、なーんも分かってないんだから。」

…翔ちゃんのその、人を惹きつける魅力は、無自覚だからこそなのかもしれない。

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