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海にほど近い…暗い森の中、男が一人、薪をくべている。濃い茶の髪と瞳を持つ精悍な顔立ちと身体つきの三十歳前後の男…カーンが、一人、薪をくべている。背は、238地【センチ】。
四方を結界石が張り巡らせた左右に眠る男女の姿…左側には、血のような赤い髪をした美女エイナが、金の巻き毛を一房毛布からはみ出した美少女ミリリアを抱いて寄り添うように眠っている。右側には、一人…木の根元で眠るあどけなさの残る青みがかった黒髪の青年…リューンが眠っている。背は…エイナより1地低い189地。
「待ってー！！。」
リューンは、大声を上げると眼を覚ました。髪と同じ…青みがかった黒い瞳が、虚空を見つめる…。
「また…見たようだな…。」
「うん。…。」毛布をずりずりと引きずり…カーンの元へと向かう。珈琲豆の入ったこっぷを受け取ると、剣のつかで、すり潰す。温かいお湯と砂糖と牛乳の代わりのマメモの実を入れ、ゆっくりと…飲みほす。砂糖は、高級食材の一つで〈傭兵〉の身ではなかなか手が届かない。
「なぁ…。なんで…俺だけ…見るんだ…？。」
「その答えをもらいに…〈シセリウス陛下〉に、会いに行くのだろう…。」
「うん…。」
「明日は、早い…。もう…寝ろ！」
「わかった…。」毛布をずりずりと引きずり…元の木の根元に行くと、身を丸げ…眠りに入る。すやすやと、心地良い…寝息を立てる。
深緑の森に…帳が下りる。一人…黙々と、剣の手入れをしているカーン。
〔〈剣〉様…だけには、会いたくないがな…。まぁー何とかなるか…。最悪…封印を解けば、事足りるか…。〕