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幻星記序章~白夜の時終わりぬ…だが黎明の時来ず

第11章 白夜の終わる時

城の屋上に一人佇む〈魔王シセリウス〉。階下から現れた〈一の剣〉…耳飾りを付けている。
「明日。願い。叶う。」
「そうですね。これが、最後の機会です。」夜空を眺めながら答える。
「無事。帰還。待つ。」
「心配入りませんよ。レリーがいますからね。」
「陛下。〈三〉。」
「あの子は、少々…心配ですが…〈アイナ〉の所に行くまで解決出来るでしょう…。」
「願う。」 
「後の事は、頼みましたよ。」
「承知。」再び夜空を見つめる〈魔王シセリウス〉。同じように夜空を見つめる〈一の剣〉。
流れ星が二度流れた。胸の高鳴りが下ろせない〈魔王シセリウス〉。だが、〈一の剣〉前では平静さを装った。
「明日…いよいよ…。」小声で呟く。
ゆっくりーと夜の帳が降りてくる。白夜の時が、終わりを告げ、二人を包む。だが、黎明の時は…まだ早い…。後、少し…時間が、必要だ。それでも…二人の心には未来が、克明に写し出されている。


100万年……。悠久と思われていた…魔王シセリウスの統治は、唐突に…知る者も少なく…終わりを…告げた。リューンと名乗る少年の…。青年とは、言い難い…身も心も…幼い…。幼すぎる……夢の一言で!!。
「〈スフィア〉が、呼んでいる……!!。」

明日、旅立つ!!。終わりを…告げる為に!!!。今は、
ただ……〈事〉が、無事に…成せる事を祈るのみ。もう……
失敗は、許されない!!!。
「〈スフィア〉……。」小声で呟く〈魔王シセリウス〉。
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