テキストサイズ

幻星記序章~白夜の時終わりぬ…だが黎明の時来ず

第1章 〈傭兵〉

惑星スフィアナールは、二つの月とそれぞれ三つの衛星からなる多重惑星である。重力は、地球より…やや低い。その為…生物の大きさは、著しい。星の生物の七割近くを占める肉食生物ー〈魔獣〉。
二割ほどを占める〈神獣〉。その〈合いの子〉が、同じく二割。人間は、一割にも満たない。
〈魔族〉とそれぞれ呼ばれている非生物の加護…支配を受けている。〈魔族〉は、非常に美しい。 
二十代半ばから五十代ぐらいの五十人程しかいない。皆ー紫の瞳と血を持っている。その中でも、 十代後半にしか見えない〈魔王シセリウス〉の美しさは群を抜く。
人間の中には、秀でた身体能力を持つ者がいる。〈騎士〉である。〈剣〉、〈刀〉、〈盾〉、〈錨〉、〈鏡〉、〈傭兵〉。人間の中で一番強いのが、〈刀〉。〈騎士〉の中で一番強いのが〈剣〉。〈盾〉、〈錨〉、〈鏡〉は、同格。〈傭兵〉は、同格か、やや低い。〈盾〉、〈錨〉、〈鏡〉は、一から十の〈上位〉と十一から下の〈下位〉の二つからなる。また、それぞれに〈名も無き騎士〉が、十数人いる。〈刀〉は、隊の名で、〈一の刀〉…〈二の刀〉と呼ばれている。それぞれに〈副官〉が、二名いる。〈剣〉は、名とは別に…〈通り名〉と呼ばれる名を持っており、人間は、〈通り名〉で、呼ぶ慣習がある。また…〈剣〉には、〈生殺与奪権〉が、与えられており、通称…〈手打ち〉と呼ばれている。その対象は、赤子から…いや、発生から対象となる。母親共々…〈ワンダー正神殿〉…〈ワンダー闇神殿〉行きになる。無論…命を奪われることもある。
〈魔獣〉は、人間にとって…脅威でもあるが、貴重な…資材でもある。肉は、部位によって、食糧や薬になり…角や皮膚…鱗は、武器や防具になる。一片の欠片も捨てる所がない。
〈合の子〉も同様に…一片の欠片も捨てる所がない。
〈神獣〉は、食糧には、向いていない。血や角…皮膚や鱗が、武器の強化剤や薬になる。数も…少ない為、規制が…引かれている。とは言え…〈傭兵〉による乱獲は、後を…絶たない。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ