
タバコとシャボン玉
第4章 心
どれだけ時間が過ぎようが、ここには誰も来ない。
もっと色んな話をしてみたい。
もっと色んな話を聞いてもらいたい。
もっとずっと、ずっと一緒にいたい・・・
「あのー、すみません」
男の人の声がした。
心臓の音が大きく聞こえた。
すぐに声の方を向いた。
男「この辺に、メガネが落ちてなかったかいのお?」
声の主は、私の知らない、初老の男だった。
意気消沈。でも、すぐに我に帰り、休憩所の周りを一緒に探し回った。
メガネは、わりとすぐに見つかった。初老の男は、お礼だけしてゆっくりと帰って行った。
私の心が、少しだけ泣いているように感じた。
