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誰も知らない

第3章 パーティー

紗和は少しだけ自分の可能性を信じた


紗「私、もしかしたらできるかもしれないことがある。」


二「できるかもしれないこと?」


二宮は疑問のマークを頭に浮かべた



すると紗和はまだ咲いていない薔薇を見た




紗「さっきね、この薔薇のこと何人かの女子が言っていた。おめでたい日に咲かないなんて意味がないって
.......そんなことないと思う。
あの薔薇はさ、咲かないんじゃなくて咲けないんだよ」




そうして紗和は薔薇に手をかざしてクルッと回転させた



すると薔薇は綺麗に咲き誇った




紗「ほら、薔薇はとても綺麗でしょ。あれが本来の美しさなんだよ。 私の原理も同じなんだ。 」



二「原理?」



紗「だから、自分の可能性を生み出したの。そうしてこんな風になってる。 だから気にしないで明日になったら、きっと私に戻るから。.......だから.... 今だけはさ


............んっ......」






まだ彼女が言い続けようとした時、その唇が塞がれた






二「わかったから。もう.........何も言うな....
.....静かにしてろ」







そしてもう一度. 彼女の息を 言葉を 吸った







紗和の中にある言葉は次々と二宮の中に吸い取られていった



紗「はぁ..はぁ...はぁ....」



言葉と共に酸素まで吸い取られた紗和は苦しくなり
二宮の肩を押して離れた



紗「なにすんの⁉」




紗和は緊迫した声で静かに言った。




そして、



あとを去った








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