Alice is where?
第2章 『Alice in Cinderella world』
再び、ドアの戸をたたいた私を迎えたのは、目元を腫らしたシンデレラさんだった。
「シンデレラさん!!」
そう声をかけるのと同時に、私に抱き着き、
「…ッッ、ック」
静かに嗚咽をこぼした。
私はただ、シンデレラさんを抱きしめて背中をゆっくりとさすることしかできなかった。
少しすると、シンデレラさんは私から体を離して、涙を拭いながら、
「お見苦しいところをお見せしてしまい……」
「いえ、大丈夫ですよ。…落ち着きましたか?」
「はい。あの…どうしてこちらに?」
「シンデレラさんが心配で帰ってきたんです。……いつも、あの人たちからあんな言われ方をされているんですか?」
「ご心配をおかけしてしまい、すみません。ええ…、此処に来てからずっとです」
そう言って、シンデレラさんは悲しそうに目を伏せた。