僕と娘の話
第2章 先輩の葬式
葬式、当日
先輩の葬式には前の会社の見知った顔
知らない顔の方が多かった
喪主の栞さんは
相変わらず綺麗な顔をしていた
46歳の女性とは思えないくらい美しかった
棺桶に入った先輩の顔を見た
見覚えのある
しかし大人の男になっていった
やせ細り頬もこけている
あぁ俺の見たかった顔はこれなのか…
俺が心から愛した人
あの時、子どもができたこと
気にせず付き合い続けていたら
この人の死に目にも会えていたのだろうか…
なんとも言えない気持ちを抑えていたとき
「あの…もしかして宮坂くん?」
振り返ると
そこにいたのは栞さんだった