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僕と娘の話

第3章 僕の結婚までの話


娘がいるのに何故
「娘さんがいるならさみしくないのでは?」
失礼だとは思ったが、率直に言った

「…娘は良い子よ。でも、娘じゃダメなのよ…私のさみしさは娘じゃ埋めてくれないの…」
そう言うとテーブルの上に置いていた
俺の手の上に自分の手を重ねた


あぁこの女も こういう女なのか

俺は自分の手で栞さんの手を強く握った

「俺で力になれるならいつでも側に居ますから」

そう言うと、栞さんは涙をぽろりと一筋流し

「ありがとう」と言った


驚くほど、嘘くさい涙に見えた

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