テキストサイズ

僕と娘の話

第3章 僕の結婚までの話

2日に一回のペースで栞さんと連絡を取り合った

男がいないとダメな人だったから
隙に入り込むのは簡単だった


どんなに一緒に居ても
栞さんのこと愛することはできなかった
不思議なほど

愛着が湧くのではないかとも思ったが
情の一つも湧かなかった





先輩が亡くなってから一年が経過した頃

僕は栞さんに婚約の話を持ち出した

「栞さんさえ良ければどうかな?」
名前も実印も押した婚姻届を差し出す


栞さんふんわり微笑むと
俺に抱きつきながら
「ええ。勿論よ!!」そう囁いた



先輩の物を手に入れた
あんたが俺よりも大切にした物をたった一年で
俺の物にした

ざまあみろ

その感情だけしか俺の頭にはなかった

ストーリーメニュー

TOPTOPへ