テキストサイズ

僕と娘の話

第11章 会わせたくない男

「ちょっと!!先生に失礼でしょ!!

あと!!手離してよ!!気持ち悪い」
私は手を振りほどこうとするが
力強い順くんの手は私の力ではどうも解けない


「里生変わったよな。前は俺のこともっと大切にしてたのに…いつからかな…1.2年前から?」


1.2年前から…お兄さんに出会ってから…

順くんの言葉に私は目そらす

「順くんに私の何がわかるの」

順くんは黙ったが
私の方を振り返るとにっこり不気味に笑った

全く手を離すことなく


私は順くんの車に連れて行かれた

「さぁー里生は今一人暮らしか?確か何年か前に里生のおばさん再婚しただろ?
良いとしの娘が一緒には住んでないだろ?」

「いや…お母さん…もう、離婚したから」

順くんはシートベルトをつけながら思わず手を止めた
「はやっ!!さすがだな…じゃあ里生は今、おばさんと二人暮らしか?」



言えない…

母親の再婚した、そして離婚した
元義理の父親と一緒に暮らしているなんて…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ