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僕と娘の話

第12章 娘の連れて来た男

「それ以上失礼なことを言ってみろ…殴るぞ」

身体に力が入る
怒りに瞳孔は散大し
血管が浮き出る
噛み殺すような声を出す俺に
順くんは、なおも面白がる


廊下からパタパタとスリッパの足音が近づいて来た

「順くんは…今からお茶出すから…あ…どうかした?」


リビングに里生ちゃんが戻ってきた

対峙する俺と順くんの姿に異様なものを感じたらしい


順くんは里生ちゃんを見ると
不敵な表情を爽やかな笑顔に変えた
「…ちょっと話をね、里生もう、お茶は良いよ帰る。お父さんもお邪魔しました」

「え、まぁ帰るなら止めはしないけど…」
里生ちゃんは少しホッとした表情をする

順くんはそのまま玄関には向かわず俺に近づいて来た
そして俺の肩に手を置き
里生ちゃんの見ている前で
耳元に囁いた





「里生は右の乳首が性感帯ですよ」
順くんは耳元から離れ、俺の目を見て微笑む

俺は順くんを睨み付けた



順くんは俺に一言だけ言うとそそくさと帰って行った



たくさんの憤りを残して

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