僕と娘の話
第13章 本当のこと
「……私、お兄さんが好きです…」
その言葉に俺は心臓が止まるかと思った
里生ちゃんはすごく真面目な顔で
しかし、赤面したまま話し続ける
「…好きだったけど…お母さんのものだったし…
お兄さんは本当は男の人が好きって
知ってたから…
でも…
この前…あんなことがあって…
もう…どうして良いかわからなくて…」
俺の軽率な行動がこんなに里生ちゃんを悩ませていたなんて
「ごめんね。里生ちゃんにこんなこと言わせてしまって…里生ちゃんを先に好きになったのは俺だ
手を出したのも俺だよ…
ごめんね…
俺は君が好きなんだ…
もう…壊してしまいたい程…」
お互いの思いを確認しあえた
改めて両思いだということもわかった
俺と里生ちゃんは見つめ合うと
ただ触れるだけのキスを一度した
桃色の唇は噛みつきたくなる程柔らかく
とても甘く感じた
唇が離れる瞬間に思わず
里生ちゃんの唇を舐める
里生ちゃんはまた赤面し
その全てが愛おしく感じた