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顔をあげると
少し目線の上に里生ちゃんの顔があった
恥ずかしそうに赤くなり
どうして良いのか分からないというように
慌てている

「…里生ちゃん…」
俺は里生ちゃんの腰に片腕を回し
もう片方の腕を背中に回す
細い身体を抱きしめると
俺は里生ちゃんの胸に顔を埋めた

大きくて柔らかい胸に包まれ
里生ちゃんの激しい鼓動を聞いた


心臓の音はどんどん速くなり
里生ちゃんの緊張が伝わってくるようだった


「あ、あ、あの…お兄さん…？」

「…何？」
目は里生ちゃんを見ているが
胸に顔を埋めたまま返事をする
里生ちゃんの顔はますます赤くなる


「…顔が…胸に…」

里生ちゃんは小さい声で言った
可愛くて愛おしい

「こんなことされてるのに、どうして逃げないの？」
里生ちゃんは慌ててはいるが
逃げたり暴れたり…全くしない
俺は手を出さないと思っているのだろうか？
一ヶ月前にあんなことをしたと言うのに