
齧りかけの林檎
第5章 ● 君の名前 ♀side
少し小さい声で、君は言った。
「17、高2です・・・」
リアルで?リアルでか?
ダブってないのか・・・ジーザス・・・。
さて、どうしたものか。
このまま帰ってもいいのだけれど、こんなに冷えてしまった彼をこのまま帰していいものだろうか。
「で、どうかな?
おうちでごはん食べることになってる?
お詫びもしたいからさ、
あんまり高いとこは連れてってあげられないけど」
高校生じゃ、家でごはんを食べるのが当たり前だろう。
こんな時間まで帰ってこなかったら、さぞお母さんは心配していることに違いない。
