齧りかけの林檎
第3章 ● 待つ君の ♀side
♪~PRR
「はい、里井商事でございます」
わたしの斜め前のデスクに座っている同僚が電話にでた。
「はい、はい、え・・・えっと・・・」
その同僚が困った表情で、こっちをチラチラと見ている。
どうしたのだろう?
「少々お待ちいただけますでしょうか?」
受話器を置いた同僚が、課長のところに急いで走っていった。
「え!?そ、そんなに!?
在庫あったかなぁ・・・」
すると課長はわたしを呼び、
「あのさ、今電話で新規の注文なんだけど
どうしてもクリスマスフェアに向けて
使いたいと大量注文をいただいたみたいなんだ。」
と聞いてきた。