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齧りかけの林檎

第4章 ● 待つ君の ♂side




いつも寝ていた授業も、今日はちゃんと起きていた。



でも別に、ちゃんと授業を受けていたわけじゃない。



あまり使っていなかったノートに、彼女の似顔絵を描いていた。








胸くらいまである長い黒髪や、からし色のダッフルコート、ぐるぐる巻きのマフラー。








すると、隣の席のダチに見られてしまった。








「おまえ何描いてんの?貞子?」








何をどう見たら貞子になるのだろう。




失礼なっ!



「ちげぇよ!別にいいだろ、なんだって」








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